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商品開発の経過報告とオタク話あれこれ
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あけましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします!

で、早速ですが間もなくBlu-ray発売となる「サルート・オブ・ザ・ジャガー」についてあれこれ。「マッドマックス」とも縁浅からぬ作品ですし、そもそも当方が販促に少し絡ませていただいていますし。



文明崩壊後の荒野を舞台に、犬の頭蓋骨を奪い合ってゴールを決める、流血必至のバイオレントな競技“ジャガー”。主人公サロウ率いる強豪チームの転戦を描く不思議なムードのSFアクションムービー。
監督はカルトムービー「ブレードランナー」(82)で脚光を浴びたデヴィッド・W・ピープルズ。(本作はピープルズのキャリア唯一の監督作)

主演はこれまた同じく「ブレードランナー」で大ブレイクしたルトガー・ハウアーと、「ラスト・エンペラー」のジョアン・チェン。



89年製作、日本公開は90年。
「マッドマックス2」(81)以降に乱作されたチープな世紀末ものとは一線を画する独特の世界観を作り上げ、SF的な趣向、ビジュアルや役者の魅力に加え、グッとくるスポーツモノとしても楽しめる佳作で、ビデオレンタルの普及期に多くの映画ファンに愛された(であろう)作品です。


しかし劇場公開版を収録したVHSやLDがやがて廃盤となり、2002年頃にようやくDVDがリリースされた時に多くのファンは驚いた訳です。この作品、ラストシーンが実に印象的で格好いいのですが、DVD版ではそれがカットされていました。このラストが省略され全体の尺が10分近く短いバージョンしか観られない、おまけにそのDVDすらも廃版となり、不相応なプレ値がつけられるという悲しい状況が10年以上続いていた訳です。

今回、TCエンタテインメントさんが権利を手に入れ、幻と化しつつあった日本劇場公開バージョンを現状入手し得るベストのマスターを元にして是空さんと製作したのが今回のBlu-ray&DVD。


昨年秋リリースとのアナウンスが一度あり、予約も取り始めていたのですが、それを一旦中止にしたのは劇場公開版のマスターに由来する部分で、ここだけは譲れない、という最良を求めた結果の苦渋の決断だったそうです。

おかでこうして劇場公開版の燃えるラストシーンを良好な画質でいつでも観られるようになりました。本当に感謝しかありません。
私は立川シネマツーさんで開催されたプレミア上映、そしてサンプルBlu-rayで既に何度も観させていただきました。あちらの権利元としては短縮版を公式バージョンとして認定しているのが現状との事。なので日本公開版の良好なマスターを捜索するのはかなり難航したようで、今回収録されている本編は流石に超シャープなくっきり画像ではありません。しかし、VHSやLDでは黒が潰れて、後半は特に何やってるか分からないカットも多かったのですが、そういうところは勿論見事に是正されています。

あと自分は当時あまりの悪評に旧DVDに収録された短縮版は観ていなかったのですが、今回のBlu-rayに収録されている短縮版を観てみたところ、こちらの方が色味の再現度が高く、むしろキャラクターの衣装など「あれ、こんな色だったの?」みたいな発見があってマニアックな観点から楽しめます。短いながらも劇場公開版にないカットもチラホラありますし。

ちなみにこの短縮版は今回発売のDVDには収録されず、Blu-rayのみ収録ですのでご注意を。

で、今回1/13発売となるAmazon限定バージョンの販促アイテムを当方で手伝わせていただきました。
まずは復刻パンフレット。右が劇場公開時のオリジナル。左が今回の復刻パンフ。

 

オリジナルパンフはA4判で珍しい写真が豊富に使われており、当時来日時のルトガー・ハウアーのインタビューまで掲載しています。

ただイモータン・ジョー様&トーカッター親分であるヒュー・キース・バーンや、「フルメタル・ジャケット」後のヴィンセント・ドノフリオ、他にも「マッドマックス」シリーズと共通する重要スタッフ等に関する記述が一切なく、今あらためて手にすると情報量的に少し物足りないところがあります。

という事で、単なる復刻だけでなく増ページによりテキスト部分を補強する方向でTCエンタテインメントさんと打ち合わせし、当方がそこを手がける事になりました。

そこからダメ元でアプローチしてみたところ、撮影監督だったデヴィッド・エグビー氏が快く電話インタビューを受けてくれる事に! これはいつもマッドマックス・コンベンションでお世話になっているカンダリーニことポール・ジョンストーン氏、マッドマックスのドキュメントを作るために多くのスタッフ・キャストにインタビューし続けているメルヴィンZ氏が間に入ってくれた事が良い身元保証になりました。

エグビー氏は「マッドマックス」(79)から撮影監督してのキャリアをスタートさせ、ちょうど「サルート・オブ・ジャガー」時期からハリウッド方面の仕事が増えて、特に90年代、多くの有名作品を手掛けたベテラン。(「ドラゴン ブルース・リー物語」「ドラゴンハート」「デイライト」「ピッチブラック」等々)

「サルート〜」のみならず「マッドマックス」に関するエグビー氏の生の声というのは日本語のテキストとしてはほとんど存在していないので、かなり貴重なインタビューが取れたと自負しています。で、エグビー氏も日本のファンイベント、マッドマックス・コンベンションに興味を持ってくれまして、当方的にもいつか氏の来日を実現させる事ができれば!という野望が芽生えてきました。

で、インタビュー後、律儀にサイン色紙を郵送してくれたエグビー氏。この有名なスチル、もちろん後ろがエグビー氏です。電話ではゆっくり訊けなかったのですが、この撮影がどれだけおっかなかったのか、じっくりとお話を伺ってみたいですね。


あと加えて、「サルート〜」から派生したリアルスポーツ、“ジャガー”のオーストラリアリーグの代表にメールして、写真を数点借りて掲載させてもらいました。フィクションのスポーツが現実に行われるようになるなんて、「ハリー・ポッター」のクィディッチと、“ジャガー”くらいのもんですよ! これはどうしても自分的に復刻パンフに追記したかった部分ですね。

という感じで復刻パンフが完成。加えて当方デザインによるトートバックもAmazon限定版用に作成しました。



数量に限りありますので、是非こちら限定版、ご検討ください。特にパンフは今回限り、おそらく数百部のみのものなので、後年後悔されぬように是非!

という事で

1/13発売 Amazon限定版Blu-ray(復刻パンフ&トートバッグ付き)

2/8発売 通常版Blu-ray&DVD

となります。よろしくお願いいたします!

最後に余談ですが「サルート・オブ・ザ・ジャガー」、てっきりサントラ廃盤かと思ったら今はいつでも買える状態に。自分はUSアマゾンで買いました。


インターナショナル版タイトル「THE BLOOD OF HEROES」で検索するとiTunesでもDL購入できます。地味に燃えるスコアなのでこちらも是非!

更にもうひとつ余談を。
「サルート・オブ・ザ・ジャガー」は世紀末世界を舞台にした物語ですが、監督のピープルズ的には「マッドマックス2」よりも、もっと早く文明崩壊後の世界を描いたSF映画「少年の犬」(75)を何気に意識してるよなぁ、と常々思っております。

荒涼とした白っぽい砂漠。地下エレベーターの先にある文明世界。そしてそこに住む白塗りメイクの文明人たち。



「サルート〜」の地下世界レッドシティの上流市民たちも正装時は微妙に白塗りメイクしてまして、この辺色々と影響を受けてるんだな〜と。

大変地味な作品ですが、こっち方面的にはエポックな作品なので是非「サルート〜」気にいったら「少年と犬」もよろしくお願いいたします!ってリンク貼ろうとしたら、2つのメーカー(紀伊国屋とフォワード)から出ていたDVDが今、どちらも廃版でプレ値になってんのかよ!なんてこった!

これもTCエンタテインメントさん、よろしく!というオチでどうでしょうw

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