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商品開発の経過報告とオタク話あれこれ
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で、「リアル・スティール」なんです。

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正月明けてすぐに劇場へ行ったのですが、女性客も多く盛況な入りでした。
原作はリチャード・マシスン(またか!)の一発ネタ短編。TV版「トワイライトゾーン」でも一度映像化されてるようですが(私は未見)、原作のロボットボクシングという基本アイデアのみ使用したって感じで、内容はどこかで観た映画の拡大再生産風味。

例えるなら

●予算のかかった「アリーナ」または「ロボジョックス」
●キャラクターをちゃんと描いた「オーバー・ザ・トップ」
●(CGだけど)試合シーンで観客席がびっしり埋まった「ロッキー」1作目

って具合。
「アリーナ」は宇宙人とかロボットとかが闘技場で戦う80年代の低予算B級映画のアレ。いやぁ、今あらためて観たら面白いか?気になるところです。

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トレーラーはこちら



で、「リアル・スティール」。これがなかなかカッチリまとまった映画で、見せ場も盛り上がるしでで、おそらく10人見れば9人は「まあ、いいんじゃないの」と言う映画ではないかと。

所謂、TV放映の度に観てしまう映画の系列。

私も当初、和田アキ子やら宮迫やらのTVスポットの感動押しに辟易としてたので、あまりノリ気しませんでした。が、知人の奨めもあり、実家戻っていて時間も空いたので、文句を言うために「ワイルド7」を観るよりは、建設的な時間を過ごせるかと思いまして劇場へ。

いや、ディズニーだし、そこそこ平均的な仕上がりなんだろう、くらいに予想していたのですが、予想を覆し、テンポよく、ロボットボクシングも見せ場として面白いし、おまけに“親子の絆モノ”っていうよりは、“男の子映画”ってベクトルに針が振れていたので、かなりの満足感を得られました。

TVスポットに拒否反応している貴方、これは純粋に男向けB級SFアクションですからご安心を。しかしホント、あのCMは特に男性映画ファンに対しては逆宣伝だよなぁ…と。

だって、米のオリジナルポスター群を見れば一目瞭然。そもそも完全にヒュー・ジャックマンとロボットの映画っすよ。

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ね、日本版ポスターだけ浮いてるでしょ?
ただ、親子愛とか、宮迫とか、天海祐希の吹替とか、そうでもしないと劇場へ客を呼べない(気がする)のが日本の現状。

女性を劇場へ呼ばないと興行は当たらないんですよね。何故にWHY?
確かに私が観た回も、女性客多かったです。

これがオリジナルポスターをメインビジュアルにして、「燃えるロボバトル映画!」的な売り方だったら、爆死興行になっていたのか?

ハリウッド大作が平気でずっこけて、ぺらっぺらなTV局映画がヒットしちゃう日本の特殊事情。そのメカニズムを誰かに徹底解明してもらいたいですね。

余談ですが、吹替版にヒュー・ジャックマン=宮迫博之とかじゃなくてよかったですよ。これは不幸中の幸い。

彼は「芸人にしては」歌も上手いし、「芸人にしては」吹替も上手い。
ただそれだけがウリのタレントなので、あまり本業そっちので出しゃばるなと。最近、衣装とか髪型も勘違い入っててキモいぞと。

いや、なんでこんなに文句を垂れるかと申しますと、今年は韓国ゴリ押しよりも、吉本ゴリ押しを糾弾して行きたいと思いましてw
だって吉本の大口株主はTV局だし、根っ子は同じ問題ですよね~。

脱線しました。

で、ヒュー・ジャックマンの吹替にはタレント使わず、X-MENに続いて山路和弘が担当しているようですね。これはナイス。

悪党声の山路氏は個人的に今一番好きな吹替俳優でして、「ウォッチメン」のロールシャッハとか最高でしたね。この人、「仮面ライダーブレイド」の所長役だった事を今頃知りました。どっかで観た顔?聞いた声?と当時思っていたのですがなるほど。

以下はネタバレです。






「リアル・スティール」の弱点は、この手の「ダメ男が再起する」系の映画のキモである、起承転結の「転」部分が弱いというか、やっぱクライマックスに向けての主人公の追い込みの甘さが残念なんですよね。

親子関係の危機、チャンピオンロボとの最終戦にまつわる危機、双方がユルすぎで、そこの処理をもっと上手くやっておけば更に盛り上がるラストだったろうにと、勿体無い限り。

例えば古い例ですが「メジャーリーグ」って映画。あれもダメチームの再生映画ですが、起承転結の「転」そのものが存在しない作品の代名詞ですね。トントン拍子で勝ち進み、そのまま最後まで行っちゃう、おいおい!w  これのどこで盛り上がれと言うの?という仕上がりに唖然とした記憶。

今じゃ、そういう「気分だけ再起モノ」って映画、当たり前のようにゴロゴロしてますが。特に邦画。

やっぱこの手の物語は、クライマックス前に主人公たちをドーーーンと落とす必要があります。それはもはや作劇上セオリーであり、動かしようのない力学です。

「リアル・スティール」の場合は、「転」の甘さを力技で抑えこむテンポの良さがあるので、あれよあれよと最後まで楽しめちゃいますが。

あと、そもそもゴミ捨て場で拾った旧式ロボが、プログラミングや操縦方法の工夫だけで連戦戦勝しちゃうところも、どうもなぁ〜と。ここなんかはちょっとしたディテール加えるだけで随分違ってくるので惜しい!

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最後にリチャード・マシスンの原作について。

非常にブラックな一編。つーか、それがオチかい!と思わせといて、ジワジワくるタイプのお話。しかしこんな話をよくもまああんな風に膨らませたものだわと感心ですね。

今回の映画化で、なんと現行品で3種類の収録短編集が出ているので、読む場合は吟味の必要ありですね。初読には「運命のボタン」が良いのではないかと。

ハヤカワ「運命のボタン」
ハヤカワ「リアル・スティール」
角川「リアル・スティール」


 
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遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。

多面的に我が国、大変な事になっておりますが、こんな時こそガツガツせず、のんびり行きたいと思っております。

2012年も何卒よろしくお願いいたします。

新年、一発目。知人から借りっぱなしだった「3時10分、決断の時」のDVDを遅れ馳せながら鑑賞。これが実に手堅くまとまっておりまして、楽しめました。2012年、幸先の良いスタートです。

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しかしこういうガンアクションがカッコイイ映画、久しぶりです。
特にベン・フォスター扮する情状酌量の余地ナシな極悪中ボスの銃さばきっぷりには惚れ惚れです。

こういう作品がもっと増えれば、“若い映画ファンの銃器離れ”を食い止める事ができそうなんですが。先日もCSで放映しておりましたし、アマゾンじゃとっくに激安状態。
今更観た私が「オススメでーす」とか、なんだか気恥ずかしい感じですが、ともあれオススメでーす!




あと、昨年末「仮面ライダーフォーゼ×オーズ MOVIE大戦MEGAMAX」を観たんですが、そのまさかのナイスな出来にびっくり。

色々な意味で昨今の東映ジャリ番特撮映画の集大成!っていうか、ワイヤーアクションの完成度と、ヒーロー共闘映画のツボを抑えまくった展開で、正直目からウロコでしたわ。なにせ出てくる仮面ライダーすべてと、メインキャスト全員に見せ場が用意されてます。こういう脚本上の交通整理は、なかなかやれそうでやれない事です。

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古今東西の仮面ライダーが荒野で大運動会を繰り広げる数年前の作品「オールライダー対大ショッカー」がどうにも大雑把な内容だったので、その不備を上手に解消しているようにも見えました。

あと、ちょっと前の例えば大人向け枠映画「仮面ライダー THE FIRST」「NEXT」あたりだと、ワイヤーアクションもフラつき気味だったので、ライダーキックとか肝心の部分で興冷めしちゃう部分があったんですが、本作はそういうのも一切なし。

ワイヤーのフラつきを上手く誤魔化すカット割り、カメラアングルが完成されております。何気にこれは邦画界全体にとっても、グレイトな一歩でしょう。

この見事な操演アクションは現行番組「仮面ライダーフォーゼ」のメイン監督も担当している坂本浩一監督の功績なんでしょうね。

経歴観ると、スタントマン&アクションコーディネーターとして、ハリウッド軸に90年代から活躍し、0年代も海外でパワーレンジャー系の仕事を大量にこなした叩き上げですね。いやぁ、大したもんです。まだこういう人材が日本にいるってのは明るい話題です!

他の最近のエンタメ邦画はほとんど観てないので比較できませんが、少なくとも大金かけた米のマーヴェル・ヒーロー映画に、見世物として優っている部分があることは間違いありません。

例えば2011年に観た中だと「X-MEN ファーストジェネレーション」。
お話は手堅かったんですが、アクションがすべてCG頼りで、見せ場も淡白。どうもあと一歩ぐっと来ないんですよね。

予算の都合があるにしてもライブアクションをメイン据えたライダー映画は、今後もこの調子で進化し続けて欲しいです。そしてハリウッド映画に足りない部分を補完する存在としてがんばってもらいたいもんです。

で、あとはCGなんですよね、東映の特撮映画の弱点は。
これがもう決定的に安上がりな出来。
正直、ハリウッド映画と比べてしまうと、目も覆わんばかりの絵面です。

ただ、下手にCG面が強化されちゃうと、見せ場の軸がそっち方面に向かってしまうので、東映のCGチームは現状のダメなまんまでいいのかも知れません(ひどい物言いだな、我ながら…)。
今でさえ、ライダー映画は毎回、現実感のないCG丸出しクリーチャーとかが大暴れするクライマックスが展開されてますから、もうコレ以上は…。

なので着ぐるみ同士がぶつかりあう日本だけのエンターテインメント。
ライダー&戦隊映画にはそれを突き詰めていただければと願うばかりです。

とまあ、今回の「MOVIE大戦MEGAMAX」ベタ褒め状態な私なんですが、そうは言ってもこの映画、昭和から最近の作品まで、仮面ライダーに対するある程度の知識、思い入れ、理解がないと楽しめない作品である事は間違いありません。
そこがとっても残念ですね。やっぱり映画としては片輪です。

最近、ぶっちぎりでいい仕事をしている坂本監督にはいずれ一般邦画の舞台でその高スキルを披露してもらい、邦画の格上げに貢献してもらいたい気もしますが、考えりゃライダー映画だって大ヒットコンテンツなんですから、もはやジャリ番映画と卑下する事もないんでしょうけどね。

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で、ついでに思ったのが、このライダー映画の決定版が出てしまった今、昨年の井口監督版「電人ザボーガー」の見世物としての中途半端な感じが、私の中で更に浮き彫りになってしまいました。

物量とCGで到底ハリウッドにかなわず、ライブアクションの質で東映に圧倒され、じゃあザボーガーの見所ってなんだったんだ? オナラで空飛ぶとか、そういう小学生みたいなところか? みたいなw

っと、長くなりました。

本当は新春劇場へ突入して大満足だった「リアル・スティール」の話をしたかったのですが…。

これはまた明日にでも!
 
今、Gyaoで和泉聖治監督作「オン・ザ・ロード」(82)が配信中です!

これ、ビデオ廃版以降、ソフト化がまったくなく、そろそろ幻化するか?と思われていたので、非常に嬉しいですね。

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で、作品概要はWikiなりallcinemaに任せるとして。

私はこれ、高校時、封切りで観ました。同時上映は大林宣彦の「転校生」。
「オン・ザ・ロード」は渡辺裕之、「転校生」は小林聡美の映画デビュー作ですね。

そんなノンスターの二本立てがロードショー上映されるなんて、今から考えれば嘘みたいな感じですが、ともあれ当時的には実に満足度の高い二本立てでした。

その後、深夜のTV放映(確か85年の大晦日だったか?)と、ビデオで数回ほど鑑賞。
この度、15年ぶりくらいの再会だったのですが、いや、実にいい。

昔はヒロインの人物描写の薄さにはじまり、脚本のダメさばかりが目についていたんですが、今となってはそんな些末な事よりも、娯楽映画としてがんばっている部分をいよいよ高く評価したい気分に。

白バイ警官が管轄を離れ、日本縦断のロードムービーしちゃうというお話なんですが、白バイ対パトカー、〜対白バイ、〜対ヘリコプターと、見せ場も多く、低予算映画の割にはエンタメ志向が異常に強い部分が好感度大です。
「バニシング・ポイント」「イージーライダー」などのニューシネマへの憧れが、全編いたるところに滲みでていますが、そこはまあご愛嬌で。

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本作の公開が82年。
ちょうど角川映画もアイドル路線へと完全シフトチェンジした時期。

当時、メインストリームに踊りでたディレクターズ・カンパニー系の監督軍団はじめ、とにかく気鋭の若手監督のどいつもこいつもが、エンタメ的な意味においてはまったく使い物にならず、80年代中盤から、邦画はいよいよ暗黒時代へと突入していく訳です。

演出家の自己主張よりも、アメリカ映画パクリを交えつつ、あくまでエンタメを志向した「オン・ザ・ロード」は、80's 邦画の特異点としてこれからもっと評価されてほしい映画であると、今回観て強く思いました。

あと、80年の「狂い咲きサンダーロード」、82年の「オン・ザ・ロード」、84年の「すかんぴんウォーク」。捨ておけない80's 邦画に故 山田辰夫あり!ですね。

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何気に80年には日活のバイク映画「鉄騎兵、跳んだ」にも、山田氏はちょい役で出演しております。イメージ的にバイク役者・不良役者だったんですね(「鉄騎兵〜」の山田氏は全然不良じゃないですけど)。

ちなみに「鉄騎兵〜」も「オン・ザ・ロード」同様にビデオ廃版で幻化しておりましたが、、先日、CSで放映。わくわくしながら観たのですが、「うーん…ちょっとキツイな」みたいな。

当時のバイク風俗を観る分にはいいんですが。


閑話休題。

いやしかし、多くのバイクスタントを自分でこなしている渡辺裕之も素晴らしい。作品自体はマイナーな位置づけにとどまっていますが、これぞ題材と役者の幸運な出会い!です。

主題歌、そのものズバリ「オン・ザ・ロード」は浜田省吾の曲と間違えそうだが別物。

「うおーう、うぉう、とばすぜ〜 オン・ザ・ロード♪」みたいな。

これがなかなかどうして、魅力的な主題歌で、高速道路を疾走する渡辺裕之のバックにこれが流れる序盤シーンは、本作のハイライトと言っても過言でなく。
映画主題歌としては、百点満点だと思います。

歌っているのは“イースト・ロード”なるバンド?
これはかねてより織田哲郎ではないか?と指摘されておりましたが、あらためて今回聞いてみて、やはりそうなのか!と確認完了。

「装甲騎兵ボトムズ」の主題歌、TETSU名義はじめ、この人は売れる前までは、こういうバイト仕事が多かったようなので、なるほど納得です。

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この曲、織田哲郎コンピレーションでもなんでもいいから、個人的には一刻も早くCD化して欲しいと願ってやまない曲であります。無理か?

と、色々語りたいポイントが多すぎる「オン・ザ・ロード」。

今ならタダでさくっと見れますんで、未見の方は是非!
配信は12/23までとなっているので!

つーか、Blu-rayとは言わないけど、せめてDVD化はしておこうよ!みたいな。

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ようやく井口昇監督作「電人ザボーガー」を見て参りました。

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2週で終わるかと思えば、3週目突入。
新宿の小屋で見ましたが、日曜日夕方の回で、かなりの入りでした。

お前ら、正気か?
ゲテモノ専門監督・井口昇の映画だぞ?
しかもネタはザボーガーだぞ?
世の中どうなっちゃってるんだ?

個人的には1年以上トレーラーなどの小出し情報で待たされ、妙な期待感も。
だがしかし、「片腕マシンガール」の出来を考えると、うーんきっとコントみたいな映画なんだろうな、過度に期待してはいかん…と胸踊る感じを自制せんと努めて参りました。

で、蓋を開けてみれば!

以下ネタバレなので。








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うーん、見終わった後、何も残らない。
見事に残らない。

ドラマ部分で真面目にやるべきところも、コント調になってしまう。
脚本も兼ねた監督の照れなのかも知れませんね。

シリアスに善悪の戦いとか、ヒーローの葛藤や成長とか、描くのが恥ずかしいんでしょうか、単に王道的起承転結を描くスキルがないだけかも知れませんが。

ただ、そんな調子で肝心要の部分でもおちゃらけてしまうので、ドラマの原動力になる核の部分が欠落したまま。

特に後半部分、落ちぶれた主人公が、再起するまでを描く展開なんだけど、実にテキトー。
ちゃんとやれば、燃える展開になるはずなんですが、薄いんですよここが特に!

で、寒めのギャグと、悪趣味なプロダクションデザインと、低クオリティのCGが延々・交互に画面に映し出される訳で、正直、特に後半は見ていてツラかったっす。
三池監督の「ヤッターマン」を見ている錯覚にも陥ったり。色々と似ているんですよね、今回。

いやそれでも、再起した板尾=大門が新生ザボーガーで出動するシーンで、オリジナルの子門真人版主題歌がかかるところは、リアル世代だけに鳥肌ものでした。そこに至る過程はいい加減だったけど、もうそんなことどうでもよし!

いや、正直に告白するとうっかり涙が出そうに…w


ザボーガー自体にそんな強烈に思い入れがある訳でもないし、むしろ放映当時は醒めた目で見ていた部分もあったと思います。
しかし、クライマックスへと向かう一番いいところで、オリジナル主題歌をかけるというサプライズ演出。その作り手の心意気に胸打たれました。

これは近年の懐かしコンテンツ・リメイク群の中で特筆すべき仕掛けでしょうね。色々とリスペクト精神は旺盛なだけに、肝心の仕上がりの薄さが残念ではありました。

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見せ場が面白ければお話二の次でもいいんですが、アクションもよろしくない。昭和テイストで撮ろうと、ズームや手持ちを多用しているんですが、まあ下手クソというか…。肝心のアクションはほんと肩透かしですね。

今年は特に、日曜日朝の戦隊&仮面ライダーの殺陣が気合入りまくっているだけに、「なんで劇場クオリティが、ジャリ番のスーパーヒーロータイム以下なのよ?」と。

「片腕マシンガール」の時はあれだけマンガ的な面白い活劇描写ができていた監督なんだけど、いざ他の方法論じゃまったく冴えない。うーん、演出家としての力量の底が割れてしまった、というか。

いや、この井口ザボーガーのアクションよりも、例えば昭和ザボーガーのこの撮影・演出の方が技術的に高度だし、かつぶっ飛んでてクールだと思いますよ。

長回しの殺陣とか、フレーミングとか、チェーンパンチのテンポ良いカット割りとか。ノリノリじゃないすか、これ。
間違いなく劣悪な撮影環境でやってるはずなのに、じっくり見ると意外と高レベル。

昭和のフィルム屋さんってやっぱ侮れません。
もちろん、間抜けだったり、煮ても焼いても食えないものも多いですけどね。

って訳で、私的には今回のザボーガー、残念な作品でありました。
ただ、子門真人のオリジナル主題歌が素晴らしすぎるので、それだけで料金の価値あり!
ごちそうさまです。

で、ザボーガー、今回はスマッシュヒットくらいいきそうな予感。
となると井口監督の株も上がりそうなもの。

問題は自分のフィールドを離れて、メジャーから仕事を請け負うようになった時、果たしてちゃんと仕事できるのか、井口監督?
ホラー以外じゃ全然冴えない「リング」の中田秀夫監督みたくならないか?

しかしもう「片腕マシンガール」から3年ほどですか。
正直、演出家としては進歩していないとしか思えないので、もっとがんばって欲しいですね。偉そうですいません。

私も3年前の自分よりも大きく進歩したいともがいておりますw
 
YouTubeでふと目に止まったリメイク版「わらの犬」のトレーラー。
そうかぁ、そんなもんがいつも間にか完成していたんですな。

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 一応、概要だけ説明。
奥さんの故郷の田舎へ引っ越した気弱な数学者が、地元のタチの悪い連中と色々もめ、最終的には家を包囲されて襲撃されそうになり、死に物狂いで防戦するというお話。インテリと暴力についてユニークなアプローチで描いた、なかなかにバイオレントな映画でございます。

ちなみに私はペキンパー映画の中では「わらの犬」が一番のお気に入りですが、ペキンパーのキャリアの中では、ちょっと異質な位置づけではありますね。

ずっと昔、タランティーノ製作×深作欣二監督でやる噂があったり、右翼曲折あった企画ですが、まさか今頃唐突に実現。しかも主演がサイクロップスとは。

器用にいろいろな役をこなせるいい中堅俳優になりましたね、ジェームズ・マースデン。案外、「X-MEN」組の中では老後まで仕事が途切れない勝ち組になるかも?

で、まずトレーラーがこちらで。

役者的には嫁さん役がうーん、オリジナルのスーザン・ジョージみたいな馬鹿っぽい線じゃないのが、かなりの不安要素。

というか、ペキンパー版のシチュエーションをまんまなぞっておるようで、いいのやら悪いのやら。気の抜けたビールにならないことを祈るばかりです。

ただ、やっぱりオリジナルのクライマックスをあらためてみると、フレーミング、ライティング、カット割り、音楽の使い方、芝居などなど、びっちり完成されているので、半端になぞるとろくなことにならないと思うのですが。

いっそガス・ヴァン・サント版「サイコ」みたく、まんまなぞる、という荒業もありますがw

最近のリメイク映画はほとんど見ていないので偉そうな事は言えませんが、例えばリメイク版「ロンゲストヤード」みたく、展開はまんまなぞりつつ、元ネタ作品と主演バート・レイノルズへのリスペクトがてんこ盛り!みたいな作品だったら、観ているこちらも口元が緩むのですが。正直それはそれで、オリジナルに縛られすぎて、ある意味後ろ向きな作品だとは思いますけどw

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で、ポスターなんですが、左がリメイク。右がオリジナル。
同じデザインになっちゃったんですね。しかし、アートワークとしては左はゴミです(おっと偉そう!)。

オリジナルのレイアウトまんまで、更にメガネの中に他の要素を盛り込むみたいな蛇足。うーん、これが作品の出来そのものを暗示していそうで…。

しかしオリジナルのこの有名なポスターですが、ダスティン・ホフマンの写真の上に割れたメガネを配置して撮影。見事なアイデア! 作品内容を簡潔に力強く表現していますし、立派なアートにもなっております。

あらためてこのポスター画像をじっくり見たんですが、ほんとに素晴らしいですね。

タイトルの「わらの犬/straw dogs」ってのは老子の言葉からの引用らしく、「人間なんて天から見れば、祭事で焼き捨てられる藁できた犬みたいな、取るに足らない存在だ」という意味合いがあるような。このタイトルと、映画本編で語られる作品テーマ。正直言うと、私は未だに密接な関連性を見いだせていないのですが、まあそれは置いといてw

「わらの犬」っつーもんだから、幾つかダイレクトなアートワークがあるんですな。
まあ、↓なんかはまだいいとして

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↓これはなんだか「オーメン」風。
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↓これに至っては、どう考えてもダスティン・ホフマン主演のモンスタームービーって具合で、想像力を掻き立てられますね。「マックイーンの絶対の危機」みたいなw
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という訳で、そもそも果たしてリメイク版「わらの犬」、日本公開されるのか? DVDストレートでリリースか? ちょっとだけ気になりますね。
 
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